2017年4月27日木曜日

榊莫山たましいの出会い

『千花百草』…漢詩に出てくる言葉


















榊莫山さんの仕事場に
あるお弟子さんが訪れた。

その時に撮影された写真が数枚、
たまたまネットで見つけた。
その中の一枚の写真に私の心は大きく動いた。

私はこみ上げる感情を抑えることができなかった。

なぜ?
なぜ涙が出るのだろう?

とてもとても深いつながりの人を亡くした寂しさを思い出した。

私は莫山さんにお会いしたことがない。

でもニアミスはあったような気がする。

30年くらい前のことかな。
私はよく大阪の百貨店に出没していた。

デパートでは、
洋服や靴や台所用品も買ったけど、
だいたいが書道展や絵画展を観るのが目的だった。

榊莫山といえば
今でも思い出す光景がある。
大阪のおそらく近鉄百貨店だろう。

その日、
莫山さんの屏風作品をみた覚えがある。

それだけではない。
莫山さん関連の何かをやっているな。

そんな気配を感じていた。

今考えるとバクザン先生の社中展だったのかな。
そうだとしたら妙に納得がいく。

私の勝手なイメージの辻褄があう。

有料の展覧会の会期中なら、
いくらなんでも鑑賞しないで帰るなんてありえない。

イヤ
そうでもないかも
ひょっとしたら
当時のわたしなら
見ないで帰る可能性はないことはない。

どうしてかというと、
私はまだバクザンさんの作品の魅力を
心から感じ取ることが
できていなかったから。

著名な作家である榊莫山の作品…

最初からすっごく気になる存在ではあった。

でも私には
榊芸術の上っ面しか
見えていなかったんだと思う。

高尚な詩に感動する心の豊かさも欠落していた。

30数年前すでに莫山さんは、
洗練されたブランドだった。

莫山さんご自身に対しても作品に対しても、
ブランド品というイメージが強かった。

メジャーにたいする反発とでもいいますか。
私の未熟な精神がそうさせたのでしょう。

反骨精神と言ったら深い意味がありそうだけど、
何にもない。

思考もない感情も幼いタダの反抗期。
そんなもんだったのかな。

なので…

親に反抗して損した。

それに似た気持ちが今も残っている。

あのとき…
顔を上げて
まっすぐに前を向けばよかった。
目の前で起こっていることを
ちゃんと見ておけばよかった。

気になるくせに見ないようにしていた自分に
アホちゃうかと言いたい。

あのとき、フロアの隅で書画用品を物色しながら
私は莫山さんの存在を背中で感じていた。

感じれば感じるほど
否定する私がいた。

その後もずっと、
莫山さんと私は無縁で生きてきた。

ふと思う。
今の私の年齢は、
あの当時の莫山さんの年齢と
同じくらいかもしれない。

莫山さんと対峙する覚悟ができるのに
私は30年もかかったのかな。

莫山さんとのご縁が
突然やってきた。

今頃なに言ってるの?
鈍感なおバカさんのくせに!

なんて
言わないでちょうだいね。

こんな巡り合わせも
あるあるってことで。

出会えただけでも
まるもうけ。

そう思いましょう。
大事にしましょう。

魂の出会いを…


あとがき

私の記憶なんて曖昧だし
いい加減なことは百も承知。
でも、
私だけの莫山さんの思い出が
消えずにきたのは確かなこと。
創作と真実がごちゃまぜの記憶かもしれない。
だけど自分が全然重要視していないことが
自分の人生に影響を与える時がくるとは
面白すぎる。
赤い糸やご縁って本当にあるんだな
って思えてくる。















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